自信があるけど、自信がない新入社員

「自信があるのに、なぜか自信がない」
この一見矛盾するような新入社員たちの特徴、
皆さんも感じたことはありませんか?

最近の若い世代は、個性を大切に育てられ、
自己肯定感が強い一方で、

物事を実際に成し遂げる力、
つまり「自己効力感」に欠ける傾向
見受けられます。

特に、中学・高校時代に
苦手なことを無理せず避ける選択肢が当たり前になり、
厳しい挑戦や失敗の経験が少ないことが一因のようです。

「自尊心的自信」と「自己効力感的自信」のギャップ

以前、研修で伺ったある会社で、新入社員の一人が

「怒られたのは人生で初めてです」
と語っていたエピソードが、とても印象に残っています。

親にも学校でも叱られた経験がないため、
仕事で注意されたことが大きなショックとなり、
自分の対応力に自信を失ってしまったようでした。

このように、彼らは「自分を肯定する力」は持っているものの、
物事を自分の力で成し遂げるための「行動にうつす力」が不足しているのです。

また、コロナ禍も大きな影響を与えたと言えるでしょう。

若者たちが様々な挑戦や試練に直面する機会が減少したことが、
彼らのレジリエンスを弱める要因になっていると感じます。

多くの新入社員が、「ストレスに打ち勝つ経験がない」
と感じる状況が生まれています。

「2つの自信」を育てる中学校でのレジリエンス授業

このような新入社員の特徴を見て、

私は中学生向けのレジリエンス授業にも応用できると考えました。

9月9日に行った中学校でのレジリエンス授業では、
「2つの自信」をつけることを目標にしました。

この2つの自信とは、
「自分への自信(自尊心)」
「物事に対する自信(自己効力感)」です。

中学生にも同じように、
まずは自分の価値を認めることから始め、
次に小さな成功体験を積み重ね
物事を成し遂げる力を育てることが重要です。

これにより、新入社員が直面している
自己効力感の欠如に対処するためのレジリエンスを、
中学生時代から育むことができます。

新入社員に見られる
「自尊心は高いが、自己効力感がない」という現象は
現代の若者たちの育成環境や社会的背景を反映していると感じています。

しかし、それに早い段階から気づき、適切なサポートを行うことで、
次世代のリーダーたちが自信を持って困難に立ち向かえるようになります。

私たちレジリエンストレーナーは、
彼らが真の自信を育み、
どんな試練にも乗り越えられる力を持つように、
レジリエンスを強化する取り組みを続けていく必要がある

改めてそんな思いを強くしました。

この中学校は、1学年7~8クラスある大規模校です。
そのため、会議室から各教室をzoomでつないで授業を行います。
レジリエンスTシャツは、JREA会員さんから頂いたもの。
先生にも生徒さんにもとても好評でした。

もっともっとレジリエンスを広げていきたい。
一緒に広げてくださる方をお待ちしています!

(JREA代表理事 山本千香子)

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