レジリエントクラスを作り上げた先生は、何をしていたのか?

代表理事の山本千香子です。

私は、小学校や中学校で、児童、生徒向けにも
レジリエンス授業を実施しています。

以前お伺いした小学校で
レジリエントなクラスをつくった担任の先生に出会いました。

そのクラスと他のクラスとの差は、圧倒的だったとご紹介しました。

その記事は、下記からお読みいただけます。
毎日の積み上げが劇的な差を生むリーダーの言葉とは?(1)

上記の記事で「ヒントは朝の会の先生の言葉にあった!」とお伝えしましたが、
今回は、もっと具体的にご紹介しようと思います。

レジリエントなチームを作りたいリーダーにも参考になりますので、
ぜひ最後までお読みください。

***

さて、「朝の会」で担任の先生が子どもたちに話ができる時間は、毎日違います。

1分しかない日もあれば、5分話ができる日もあります。
なぜなら、連絡事項や子どもたちの状況にもよるからです。

それでもその先生は、
「毎朝、子どもたちに伝える言葉を事前に準備している。」
とおっしゃっていました。

そして、話の最後には、クラス目標である
「今日も何かにチャレンジしよう!」
と締めくくるそうです。

なぜこのことが、3学期になって劇的な差を生むのでしょうか?
その理由を私なりに整理してみました。

1.入念な準備が「信用貯金」を積み上げる

まず「自分のクラスの子どもたちに、どんな話が響くのか?」
と、担任の先生が考え抜いて準備をしていることが挙げられます。

それが子どもたちに伝わり、「信用貯金」となっている。

学校の先生方は、子どもたちに話をする機会が多いため、
その場で考えて話をするなんて、簡単にできるのかもしれません。

ただ、この先生のように事前に準備し、
言葉を吟味して選び、よく考えて話すことは、
「普段の何気ないコミュニケーションとは違う」
と、子どもたちも気づいているのではないかと思います。

その積み重ねが、「信用貯金」として
子どもたちの中に貯まっていくのだと感じます。

レジリエントなクラスを作ろうと思ったら、
先生と子どもたちとの信頼関係は欠かせません。

2.レジリエントモデルになる

毎日アウトプットしようと思うと、日頃の行動や発言が変わります。
「子どもたちのチャレンジを促すような話をしよう」
と思うと、自然とインプットが増えます
世の中で起きているニュースや出来事にも敏感になります。

子どもたちの言動をよく見て、良いところを見つけようとしていれば、
それが先生の言動に表れ、子どもたちの自尊心を高めます。

また、先生が手間暇をかけて「朝の会で話をする」を
毎日コツコツ積み上げることは、間違いなく先生ご自身をレジリエントにし、
その姿がモデルとなって、子どもたちにもポジティブな影響を与えます。

3.チャレンジを体現している

この先生は、朝の会の話の最後に、
「今日もチャレンジしよう!」
と必ず伝えていらっしゃるそうです。

例えば、その場で思いついたことを思いつくままに話した後で、
「今日もチャレンジしよう!」と言ったとして、
果たしてそれは伝わるでしょうか?

子どもは「なんだか適当に話しているな」
と簡単に見破るものです。

「朝の会で子どもに価値のある話をしよう!」

「もしかしたら、今日のこの話がクラスの誰かの
一歩踏み出す勇気につながるかもしれない!」

「適当に思いついた話では、
子どもたちがチャレンジする機会を失うかもしれない!」

この担任の先生は、そんな覚悟や想いをもって、
毎日を積み上げている。

私にはそう思えてなりませんでした。

レジリエントなチーム作りのためにできること

レジリエントクラスを目の当たりにして、
いかに日々の積み重ねが、大きな差を生むかを痛感しました。

このことは、企業など組織のリーダーにも
転移できるのではないでしょうか。

・会議の前に何を話すか、しっかり準備をして臨む。

・毎日の小さなメッセージが、誰かの背中を押すことにつながっている。

・周りへのギブの精神は、自分の毎日の行動や習慣、発言に表れる。

レジリエントなチームを作りたいと考えるリーダーは多いと思います。
今日から、今から、レジリエントなチームをつくることができます。

あなたは、何から始めますか?

 

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