人前で褒められたくないイマドキの若者

これから秋にかけて、
新入社員フォローアップ研修や来年度の新入社員研修などの計画を
立てる時期になりますね。

新入社員を含む若手社員の育成にヒントになりそうな
イマドキの若者の心理を分析した面白い本を読みました。

決定的に低い「自己肯定感」と「自己有用感」

「先生、どうか皆の前でほめないで下さい:いい子症候群の若者たち」
金間大介著(東洋経済新報社)

話題になった本なので、読んだ方もいるのではないかと思います。

著者は大学でモチベーションについて研究している教授で、
学生を観察し分析して、現在の若者の行動心理をわかりやすく解説されています。

なかでも興味深かったのは、タイトルにあるようにイマドキの若者は、
人前でほめられることに圧を感じ、嫌がっていることです。

理由は、
・「自分に自信がないこと」と「ほめられること」とのギャップ
・周りから浮くことが怖く、良くも悪くも目立ちたくないという心理

こういう心理になる原因は、
「決定的に低い自己肯定感と自己有能感」
ということです。

自分はダメな人間だと思っているので、指示がないと動けない。
自分には能力がないと思っているので、
新しいことにチャレンジできない、自分で決められない。

こんな状態に陥っているというのです。

学生の間は、まあ何とかこれでやっていけるかもしれませんが、
社会人としては自分で考えて意見を言い、自分で決めて
行動してもらわないと困りますよね。

社会人デビューの時こそ、レジリエンスを!

そこで必要なのが、レジリエンスを鍛えることです。

「レジリエンスを支える5つの力」のうち

「自尊心」「自己効力感」を鍛えることで、
主体性のある社員を育成することが期待できます

入社して、
実際の状況が思い描いていたものと違ったと感じ、
会社を辞めてしまう若手社員も少なくありません。

社会人デビューするときにこそ
自分のレジリエンスに気づき、発揮する方法を
伝えることがとても重要だと考えます。

そして何より、若者たちには、
「自分は価値がある人間だ」と感じ、
新しいことにチャレンジするワクワクした人生を歩んでほしい!
と心から思います。

新入社員研修で「レジリエンス」を伝えてくださる
講師が増えて欲しいと願ってやみません。

(JREA理事 井出勢津子)

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